- 2015.03.11 Wed
ここで少しリネンのお話です。
生地の原料となる麻の品種は何十種類もあり、アジアで栽培されているものはほとんどがヘンプやラミー、ジュートです。
これらを原料とした麻の生地は、硬くてシャリ感がありパリッとしています。
この特質を生かした衣料として武士の裃があります。
東山の金さんがガバッて脱ぐ、超いかり肩に見えるアレ です。
紙の様にパリッとしていないと威厳がないですよね

因みに、明治頃まで津市で「津綟子(つもじ)」と呼ばれる薄く透き通った麻生地が作られていたそうですが、裃はもちろん袴とか蚊帳などにも使われていたそうです。
これに対して『リネン』はフラックスという植物を原料としています。
フラックスは寒い地域で生育するため、主にヨーロッパ北部で栽培されています。
そしてフラックスだけで織られた布だけが『リネン』と呼ばれます。

耐久性に優れ、コットンの約2倍もの強度があると言われています。
使い込むほどに柔らかくなり、しっとりと絹のような光沢すら出てきます。
長く使い続けられる素材ですから、ヨーロッパでは古くから娘の嫁入り道具のひとつとしてリネンを持たせたそうです。
そして吸湿・放湿性や通気性にも優れ、汗をかいてもベタつかずサラッとしています。
細菌・バクテリアの発生を抑える性質も持っているので、いつも清潔な環境を保ってくれます。そのためリネンは肌に直接触れる下着に多用され、「ランジェリー」の語源ともなっています。
と、そこまでは良いことずくめのようですが・・・
実は・・・・
縫いにくいんですけどっ!!